PCが重くなってきてる原因、つまりマイナス要素を除去してやれば、PCを買った当初と同じまでとはいかなくても、少なくとも何もしないよりはマシになるだろうということで、グリスの塗りなおしとホコリの除去をしてみたというのが前回記事でした。
(まぁ、この記事はあくまでも補足なので、「前回記事」と呼んでいいのかどうかは微妙なところではありますが、便宜上「前回記事」と呼ぶことにします)
前回記事では結論として、次のようなことを書きました。
「グリスの塗りなおしにはそれなりに効果があるのかもしれない。ただ、ホコリの除去にも効果はありそうだから、グリスの塗りなおしにどの程度の効果があるのかは謎」
で、そういう結論に至るための方法とデータも説明しました。
ところで、その結果と方法について考えていくと、「これってどうだったんだ?」と、少し思うところがでてきたので書き留めておこうかと。
静電気に注意
これは疑問に思ったというよりは、前回記事の補足ですね。前回記事では書いてなかったような気がするので。
回路基板がむき出しの状態の所に静電気が発生してしまったら、どこかで悪さをする可能性がありますので。
そのせいでHDD(もしくはSSDとか)なんかが壊れてしまったら修理のための費用が掛かりますし、なによりも重要データが消えてしまうのは怖いですから。
ホコリの除去であればハケを使うとか、静電気防止手袋なんかを使うとかして、回路基板は極力触らないようにすれば大丈夫かと。
回路基板を触らないという工夫が面倒という方は、前回記事の最後で紹介した商品に付属している帯電防止用リストストラップなんかを使うというのも一つの手だとは思います。とはいえ、やはり回路基板に直接触らない方がいいのは間違いないでしょうが。
僕の場合は重要データを一旦USBに移動させておいてから作業しました。この辺りはお好きな方法で対策していただければ。
詳しい温度推移が不明
前回記事でも説明しましたが、今回の記事でも必要なので何をやったのか、軽く確認しておきます。
- 温度計測
- グリスの塗りなおしとホコリの除去
- 再び温度計測
冒頭でお伝えした「思うことが出てきた」というのは、この温度計測の部分です。
温度計測の部分では、CinebenchというCPUに大きな負荷をかけて性能を測るソフトウェアを利用しながら、温度をパフォーマンスモニターで計測しながら1分ごとに記録していきました。
その記録した温度というのは、すべて”そのときの数値”でした。いわば瞬間的な数値だったわけです。
瞬間的な数値だったため、それまでの温度推移が分かりません。一応1分ごとの温度変化は分かりますが、より細かい温度変化は分かりません。
なので、一緒に1分間の平均値も記録しておけば各時点での温度推移が分かったのになと思いました。
ファンの回転数
温度によってファンがどのくらい回るかが決まりますが、ファンがどのくらい回っていたのかを記録していないため、実際にはどれくらいの冷却がされていたのかが分からないというのも問題点の一つです。
CPUの温度は、周囲の温度(今回の場合であれば室温)とCPU自体の発熱量に依存していますが、CPUの冷却量にも依存しているはずです。
CPU温度が313K(=約40℃)であっても、ファンがたくさん回っているときとそんなに回っていないときとでは、その「313K」は同じようには解釈できないでしょう。
ファンがたくさん回っているということは、大量の熱を外に出そうとしているということでしょうから、もしかしたら内部に熱がこもりすぎてそうなっているのかもしれません。もしそうなら、熱の排出効率が落ちているせいで、熱の排出が間に合わなくなっていると考えることができます。
ファンがそんなに回っていないということは、そんなに頑張らなくても熱を排出できているということになるでしょうから、熱がPCのケーシング内に溜まる前に排出できている、つまり熱の排出が十分に間に合っているということになるかと思います。
この2つの場合を考えてみれば、同じ温度であっても問題のある場合と問題のない場合とがあるということが分かります。同じ温度なら、冷却をしていないときの方が良い性能であるはずです。
前回記事の結果では温度しか記録していませんでした。そのため、冷却量が一定でなければ単純な比較はできないことになります。もし冷却量も記録できていれば、「同じ温度だけど、冷却量がこう違うから○○だ」や「温度は違うけど、冷却量は同じだから○○だ」みたいな比較ができたはずです。
僕のPCなら(というか、99%の人はそうだと思いますが)、冷却はファンによる空冷なので、冷却量はファンの回転数によって決まります。
※無駄に詳しい議論(読み飛ばして何ら差支えありません)
冷却量についての正確な議論をしようと思えば、周囲の温度とCPU温度の差とか、ケーシング内の空気の流れ方、CPUから排熱管に伝わる熱の量などなど、いろんなものを気にする必要がありそうですが、ここではそこまで詳しい議論をしたいわけではないので、ざっくりと「冷却量はファンの回転数にも依存する」という程度に理解しておいてください。
つまり、今までの議論から「ファンの回転数が同じもの同士なら単純に比較できるけど、ファンの回転数が違っていると単純な比較が難しい」ということになってしまいます。これも前回調査の問題点だったと思います。
「CPU温度って冷却量にも依存するやん!」と気付いたのがグリス塗りなおし後の2回目の測定が終わりかけの頃だったので、測定をやり直そうにも、グリス塗りなおし前の状態では不可能ですし、さらに計測をやり直す気力も無かったしで、ファンの回転数までは調べませんでした。というか、ファンの回転数なんてどうすれば確認できるんだ。
前回記事の良かったところ
ここまで、「これが問題だ」という話ばかりしてきていたので、最後に少しくらいは自分自身を擁護してみようかと。
良かったところは「他の人でも同じような実験をして僕の結果と比較できる」という点かと思います。
それでも他のサイトに比べれば、実験条件(室温とかどんなソフトでどう負荷をかけたか)とかはそれなりに詳しく書いておいたので、大概の人は同じように実験を出来ると思います。
再現実験が可能という意味では、それなりに良い記事だったのではないかと自負しています。
え、「調査内容への言及でないから、そんな擁護は詭弁にすぎない」だって?
…ごめんなさぁぁい!!
P.S. 今回は、「PCの性能を取り戻したい」というコンセプトで調査を進めてきました。言い換えれば、今手元にあるPCをどうにかしたいという話でした。
ですが、「良い性能を持ったPCを手に入れたい」という観点で考えれば、新しいPCを買ってしまうのも一つの手だとは思います。その方が楽だし、危険を冒さずに済むし、確実だし。
ということで、今回は個人的に気に入っているPCを紹介しておこうかと。ここで紹介したいのはFRONTIERという会社で、こちらが指定したパーツを組み合わせたPCを販売してくれている会社です。
この販売方式はBTO(ビルド・トゥ・オーダー)とも呼ばれておりまして、家電量販店で買うよりも安くで性能の高いPCが手に入るので、個人的に気に入っていたりします。
BTOのPCなら、家電量販店のPCに入っている不要なプリインストールソフトが入っていないというのも、僕がBTOパソコンを気に入っている理由の一つです。
その中でも特に買ってよかったなと思うのがこちら。
僕の場合、データの分析でギブスサンプリングをすることとかあるんですが、そういうときはコア数が多い方が処理が速く終わるので、Core i7のモデルを買いました。ですが、特別な理由でもない限りCore i5でいいと思います。
正直、ギブスサンプリングも簡単なものならマルチコアで走らせる必要はないような気はします。
このノートPCですが、個人的に嬉しいと思ったポイントは「軽い」というところです。
今までは持ち運ばないことを前提にしたノートPC(テンキーとかも付いてるちょっと大きめのノートPC)を使ってまして、部屋の中での持ち運びであれば便利なものの、長距離の持ち運びにはまったく不向きで大変でした。僕の場合は通学で4km近くを自転車で走る必要があるので、なおさら大変でした。
ですが、このPCは片手で持てるくらいに軽いので、持ち運びやすくてありがたいです。
記憶媒体としてSSDとHDDを選べるようになっていますが、持ち運ぶ前提ならSSD一択かと思います。軽い上に、PCの起動が早くなるので、ちょっと空いた時間を活用できるようになるのが地味に嬉しい所。
個人的な残念ポイントというか、ちょっと気を付けないといけないかもというポイントは、キーボードにテンキーが付いていないことでしょうか。まぁ、持ち運びやすさに特化してるようなPCなんで、当然と言えば当然ではありますが。
テンキーがあることに馴れてしまっていると、ふとしたときに使おうとして「そうだ、ないんだった」と、一瞬だけ戸惑うみたいなことがあります。これは馴れの問題だと思いますが。
総評としては、持ち運びに便利だから、出先で仕事をする必要がある場合はかなりおすすめということになるでしょうか。
P.P.S 今回の記事でやったみたいなPC内部のクリーニングは、正直かなり怖かったです。動かなくなってしまったらどうしようと思ってしまって。なので、先に新しいPCを買ってしまっておいてから作業しました。
先に新しいPCを買っておけば、万が一失敗してもPCは使えるし、大事なファイルはUSBメモリに移しておいたので。
人の自由ではありますが、PCのクリーニングが怖いという方は、PCが万が一壊れても問題ない状況を先に作っておくのも一つの手段(というか、大事なこと)だと思いますので、もしクリーニング作業をする方は、お好きな方法で環境を整えていただければと思います。
ではでは~