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Twitterでもこのブログでも色んなことを説明してきたんですが、取っ付きやすくしたいがために、なるべく用語は使わないように務めてまいりました。ただ、やっぱり用語なしに説明していると誤解を招いてしまったり、どう解釈したらいいのか分からなくなったりってことがあるかと思うので、統計学用語を簡単な説明と共にまとめました。今後、用語が出てきて分からない部分が出てきたときは参照していただければと思います。
ちなみに、A→BはAは大雑把に一言で説明するとBですよってことを表してますー。
もしも、もうちょっと詳しい説明をしてくれ~!って項目がありましたら、Twitterからでもお問い合わせからでもお気軽に言っていただければ幸いです。
試行 → 実験や観察
同じ条件の下で繰り返し実験や観察などを行うこと
例えば、「サイコロを投げる」とか「マウスに薬剤を投与する」、「商品を売る」みたいなのが試行になります。
平たく言うと、データを取るってことですな。だから、抽出って操作(そのうち説明します)も試行の一つになります。要するに、データを用意するための実験から観察、データ採取までを試行と呼びます。科学実験の統計学版が試行だって考えてもらえばいいかと思います。
科学実験では、何か仮説を立てた上で、もしもその仮説が成り立つなら理論的にはこうなるはずだって考えて、その考えを裏付けてくれるようなデータを取るわけです。あるいは、理論的にはこうなるが、果たしてどの程度の物なのだろうか?と考えて、それを確認するためにデータを取るわけです。で、データを取るための活動が実験とか観察って呼ばれるわけです。目的に見合うデータを得る手段が実験であり観察であるってことですな。
統計学でも、理論的に正しいとか間違ってるって言いたいことがあって、それを裏付けるデータはどんなデータだろう?と考えて、そんなデータが得られるような実験とか観察とかをするわけです。で、その実験とか観察のことを統計学では試行と呼びますよーって話ですな。統計学においては目的のための手段は試行って呼びますよーってことです。
統計学も最初に仮説を立てるってパターンだけではないですけど。確率を求めるとか、最も結果に寄与してる調査項目を調べるみたいな話は最初から仮説があるわけではないので。
ちなみに、どの程度までを同じ条件とするかは場合により色々なので、目的によってもっと細かい条件を設定したり、もっと大雑把な傾向を考えたりすることもできます。
マウスに薬剤を投与するって話だと、マウスという種族を同じ条件とみなすのか、哺乳類ってくくりを同じ条件としてみなすのかみたいな話ですね。この辺りの条件は、最終的に何がしたいのか、どんなことが言いたいのかに合わせて決めることになります。
事象 → 結果
試行の結果のこと
科学実験でいうところの実験結果(二酸化炭素だけが入ったビンの中に火の着いた線香を入れると線香の火が消えたみたいな)ですな。
試行で挙げた例で言えば、サイコロなら「何かの目が出た」、薬剤投与なら「どの程度の影響が出た」、商品販売なら「どれだけ売れた」ってのが事象になります。
この辺りも統計学を利用する目的によってどんな事象が得られるかは変わってきます。商品販売の例で言えば、例えば商品の陳列場所による売り上げの変化を知りたいとなれば、商品の種類や陳列場所、商品の売り上げなんかが事象になるでしょうが、時間帯による各商品の売り上げの変化を見たいとなれば、ある一定時間ごとの商品の売り上げってのが事象になります。
全事象 → 取れた結果のすべて
ある試行によって得られたすべての結果のこと
サイコロの場合、試行が10回(サイコロを10回投げた)なら、その10回すべての結果が全事象になります。試行をした結果全体のことを全事象と言いますよーってことですな。
変量(変数と呼ばれることもある)
調査項目名のこと
つまり、調べたい項目のことです。例えば、ある薬剤の毒性を調べたい場合、マウスの認知機能ってのが一つ考えられるので、これが一つの変量になります。他にも、マウスの運動能力、寿命なんかも変量になります。
科学実験に置き換えてみると、測定項目ってことになります。例えば、ある薬品と別の薬品を混ぜ合わせたときに、どれくらいの温度になるかって実験をしたとしたら、温度とか時間とかが測定項目になるわけですね。そういう測定項目は、統計学の場合は変量って呼ばれるってことですね。